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うわぁ…2ヶ月以上放っておきましたね私。
そして更新するのはやはり2ヶ月以上前に見た芝居っていう…あはは。
…すみません。

さて、今回は5月4日に母と見た『血の起源』について。
これは寺山修司原作・構成・演出:栗田芳宏、音楽:宮川彬良(NHK教育のクインテットに出てる人)
出演:安寿ミラ(元宝塚)西島千博(バレエダンサー)舘形比呂一(ザ・コンボイショウ)他…
の芝居というか、音楽劇と言うか…なんとも形容しがたいステージでした。

まずは劇場、THEATER1010のことから。
北千住の駅近くにあり、去年の四月に出来たと言うかなり新しい劇場。
足立区の持ち物だそうですが、公共の劇場にしてはとても素敵なつくりでした!
サイズはでか過ぎず小さ過ぎず、客席も前の席と交互になっていて見易く、ロビーも広い。
母がぎりぎりになってとったチケットの割に、かなり見安い席に座れたのも良かったです。

さてでは舞台装置の事。
黒一色ではないのですが暗い雰囲気の色がメインで、真ん中に長方形のプールが一つ。
はけ口として舞台下手(向かって左)にお能に使う様な幕の貼られた扉?が一つ。
プールから扉に向かってスロープがあり、そのスロープを挟んで彼岸花がぽつぽつと。
天井から幾つかの丸太のような木片のような飾りが垂れ、同じように赤い布が垂れていました。
基本的にはプールの中、水の中が演技空間と言う感じで、
かなり派手な能舞台みたいな感じと言ったら分かりやすいでしょうかね?
(実際、「水能」という謳い文句だったみたいです。)
後、芝居が始まってから分かった事ですが、舞台奥に薄い幕が張られていて
その奥でピアノ、ヴァイオリン、コントラバスなどの生演奏が繰り広げられてました。

照明はシンプルに美しかったです。
寺山修司といえばアングラ、アングラと言えば赤い照明か妙に暗いというイメージがある私ですが
(それもかなり偏っているのは分かっていますよ…)
良い意味で裏切られた形になりました。
まぁ基本的には踊りと歌で構成されているので、動きが見えなくては意味がないのですよね多分。

で、かなり印象的だったのは音楽、特に歌です。
少女役の方達と主役の安寿ミラさんだけが歌うのですが、
同じ歌が何度も何度も歌われ、意味が分からないのに頭に耳にこびりつく歌詞と、メロディ。
時にはおどろおどろしく、時には軽快に、時にはながれる風の様に。
ただ一つ、ストーリーらしきものを語る筈の歌が、逆に観客を混乱させて不思議な世界にいざなう感覚。
また安寿ミラさんの歌声がとても良いのですよ。
私はこの芝居で初めて知った方なのですが、心地よい低さでそれでいて通る良い声。
一緒に見ていた母も、「あの人のコンサートが有ったら行きたいわ。」と後で言っていました。

筋はないに等しく訳が分からない=つまらない…下手をするとそうなりかねないのですが、
男性キャストの力強い踊りにも後押しされ、かなり見ごたえのある作品でした。
失礼な話、バレエダンサーの西島氏はあまり印象に残らず(十分凄かったんですけど…)
今年40歳だという舘形氏の化け物じみた存在感が全面に押し出されているように感じました。
後はバック?ダンサーの人達が皆すばらしかったです。
自分もモダンバレエを昔やっていたので、凄さが身に染みました…。

余談ですが、1時間30分程の本ステージの後、座談会が有りました。
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