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<お品書き>
●2008年9月20日 鎌倉古陶美術館にて
新野順子朗読スペース
「石牟礼道子文学朗読シリーズ8 初秋の夕べに、ギターの調べとともに」


●2008年9月25日 14:00 日比谷シアタークリエにて
東宝 恋愛喜劇「青猫物語」


●2008年9月25日 19:00 高田馬場アートボックスホールにて
ゲンジツパビリオン企画 「ヤマタカミ」


●2008年9月27日 俳優座劇場にて
ステージ茨 「アキバのマーメイド」


●2008年9月30日地元文化会館にて
劇団昴 「アルジャーノンに花束を」







新野順子朗読スペース
「石牟礼道子文学朗読シリーズ8 初秋の夕べに、ギターの調べとともに」

母が趣味で習っている朗読の先生の、朗読会を聞きに行きました。
途中ギターの生演奏も入って、小編2つと中篇1つで3時間弱位のボリューム。
会場は陶器の美術館ですが、とても雰囲気の良い建物でした。

朗読に興味があるものの、ちゃんと朗読会を聞きにくるのは多分初めて。
いつもはCDやTVで見る位でしたので、生の迫力を感じました。
石牟礼道子さんの本も読んだことがなかったので、
独特の視点で描かれた、心情や風景の描写がとても興味深かったです。
それをしっとりと抑えた口調で読み進められる
新野さんの朗読は、すっと心に入っていきました。

最後の中篇「タデ子の記(「潮の日録」より)は、
著者が実際に助けた、戦災孤児の少女の話で、
どんなに世話をしてあげても、
彼女の心の奥の奥までしみこんだ「戦争」を
追い出すことができなかったことを悔やむ著者の心情が、
とても切なく、痛々しく、描かれていました。

少し長かったことと、内容の重みで、
聞き終わった後は感動と落ち込みのダブルコンボ…。
ちょっとしょんぼりして帰りました。

でも、とても勉強になりました。


<◎>



東宝 恋愛喜劇
「青猫物語」


最近気になっている役者さんの、北村有起哉さんが出てるということで、
母親におねだりし(最近いつも…ありがとうお母さん)、見てきました。

<築地小劇場の裏にあるカフェー・青猫は
盲目のマスター、ブルさんが切り盛りする店。
そこに居候している休業中の踊り子、宮下そらと
新劇青年、八起静男は相思相愛。
しかし、間の悪さは天下一品の八起と天真爛漫すぎるそらは、
すれ違いを繰り返し、せっかくのプロポーズも駄目になってしまう。
静男はなんとか彼女を取り戻そうと奮闘するが…>

ドタバタコメディーでありました。
新劇が正に「新しい芝居」であった時代のお話で、
戦争・検閲…等、ちょくちょくシリアスになるものの、
基本的にはすれ違い・勘違いの応酬の笑わせ芝居。

正直、期待していた程ではなかった…です。
お目当ての北村さんは好演でしたし、
相手役の黒谷友香さんは大変お美しかったのですが…。
(と言っても、そらという役に対して、
少し賢そう過ぎるんじゃないかなーとは思いました。
もう少し、馬鹿であっけらかんとして…っていう感じが欲しかったのでした。個人的に。)

上でも書いているように、メインのドタバタが好みじゃなくて。
なんか、笑えー笑えーって強要されている感じがして。
なんだかなぁ。

舞台の雰囲気とか、とても綺麗だっただけに残念。

<△>




ゲンジツパビリオン企画(ttp://genpavi.blog18.fc2.com/) 
「ヤマタカミ」

サークルの後輩が主催・脚本・演出・主演で、
その他の部分も大体が知ってる後輩達、という事で見に行きました。
正直な話、私は主催の子の作る芝居とか、演技とか苦手だったのですが、
今回は大丈夫でした…結構、面白かったです。

ただ、2時間30分の上演時間が長く感じてしまった所と、
私が座っていた列だけ、猛烈に寒くて
芝居見てる場合じゃない位だったという所が残念だった。
観劇後、寒さで手が震えてアンケート書くのが大変でした…。
まぁ後者は劇場のせいだけど…後ろの席の人は暑かったらしいし…。

<駿介は地元ではちょっと知られたバンドに居たが、
色々あって今は引きこもりになっている。
オンラインゲームをして、友達が来て、寝て…の繰り返しの毎日。
その間も隣の家の婆が集めたゴミが、
駿介の家の庭まで埋め尽くしている。
ある日、そのゴミ山を登って少女が駿介の部屋に訪れる。
彼女、アオイは必要とされなくなったものが分かるらしく、
度々部屋からゴミを持っていく様になる…。>


2時間半、ほぼ同じテンションで淡々と進んでいく芝居でした。
というよりは、ダラダラとかもしれない。
でもそれが苦痛ではなくて、あぁこういう空気あるなぁと
共感しながら見ることができました。
(…そんな私も半引きこもり…)
内容的には、良くある話な気がするんですけど
そこにアオイが絡んでくることで、なんとも不思議な感じになって、
良かったです。
難しいことは分かりませんが。

舞台がしっかり作られてて、良かった。
後、アンケートには、
「知っている役者が皆いつもどおりの演技で
安心して見られたと同時に、それしか出来ないのかと心配になった」
とか書いたんですけど、
単純に私がころころ変わる役者が好きだってだけの話だと、
帰ってるときに気付きました。
なんか嫌な書き方してしまった。反省。
ただ、もう少しメリハリつけてやって欲しいなぁと思う部分もあったし
母親役の子とか、20代の子の母には見えなかったりしたし。
まぁなんか、後一歩間はありました。

なんにしても、後輩を見直したので
今度やるときもまた見に行こうと思います。
今度は寒くないといいのですが。

<〇>




ステージ茨
「アキバのマーメイド」(ttp://stageibara.web.fc2.com/)

前に共演したことのある人が出るというので行きました。
しかも演出助手もしたらしい。

<人魚の末娘ジュンは人間を一人幸せにするように言われ、
万世橋から神田川に飛び込んだ、ワーキングプアの青年を助ける。
彼女は川の近くにある梱包会社に自分自身も潜り込み、
その青年大路をそこで働かせようとする。
梱包会社の職人気質の社長や、
大路に心を寄せるフィリピン人留学生らが、
なんとか大路の心を開こうとするが…>

…ええっと。
演出もストーリーも、力の入った学芸会という感じでした…。

それ以外に言うことあるだろうか…。
あ、ワーキングプアって言い過ぎて変でした。
人をさすときに「あのワーキングプア」って言わないと思うのですが。
まぁいいか。

知人はがんばってました。
声出てるし、細かい芝居もちゃんとしてて。
ってか、役者さんは皆しっかり基礎のある方々という印象でした。
主役の人魚さんは歌わないほうが良かった気もしますが…
それにちょっとアイドル演技ってか、
子供劇場芝居って感じで鼻につきました…綺麗だったけど。


これ「社会派」なのか…。

<△>




劇団昴(ttp://www.theatercompany-subaru.com/)
「アルジャーノンに花束を」


<チャーリィ・ゴードンは幼児並みの知能しかない、
32歳のパン屋の従業員である。
ある時、彼はねずみの実験でのみ成功例のある、
頭を良くする手術を受けることになる。
最初は実験体のねずみ、アルジャーノンとの
迷路解き競争にも勝てないチャーリィだが、
徐々に、だが確実に知能を獲得し、天才になっていく。
しかし、天才になった彼を取り巻く世界は目まぐるしく変わり、
彼自身も「本当の自分」との間で、さまよい始める…>


今更説明するまでもない位、有名な本の舞台化です。
数年前に大ヒットしましたね~ドラマもやったし。
私も、高校生のときに原作を読みました。


イントレ(建築現場で使われる作業足場のこと。舞台・映画・テレビの世界だけで使われる名称。)と、
黒いパネルで出来た無機質な舞台で、淡々と進む台詞劇でした。

最初から、小難しい「脳みその話」をずらずらとされたので、
原作を読んでる私も少し戸惑いました。
でも、チャーリィ(平田広明さん:声優としても有名な方)が
出てきてからは、すっと話に引き込まれていきました。

原作はチャーリィの日記(経過報告)という形式を取っていて、
それが巧みに状況説明もするし、心情描写もするし、
とても良かったのですが、
舞台は客観的視点に立って見られて良かったと思います。
長い原作を削っても、説明不足を感じさせない説得力がありましたし。


最後の最後、
ストーリーを知っているのにチャーリィの独白で涙してしまいました。
切な過ぎました。

<◎>
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